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液体シャンプーのボトル廃棄問題や輸送時のCO2排出を背景に、固形タイプのヘアケアが世界的に注目されています。水を含まないバーは1個でボトル数本分の容量を凝縮でき、プラスチックごみと物流コストを同時に削減。
さらに近年はオーガニック原料やフェアトレード調達を採用するブランドも増え、エシカル・サステナブル・オーガニックをキーワードに選択肢が拡大中です。
本記事では、Amazon/楽天でも入手しやすい固形シャンプー&コンディショナーの厳選9ブランドをピックアップ。機能性や香りはもちろん、製造背景やパッケージの環境負荷まで徹底的にチェックしました。
目次
シャンプーバー・コンディショナーバーとは?メリット&デメリット
特徴
固形ヘアケア製品は水をほとんど含まない高濃縮処方で作られ、バー1個で液体ボトル約2〜3本分の回数を洗えるものが主流です。石けんベースからアミノ酸系、ヴィーガン仕様まで処方は多彩。紙やアルミ缶などリサイクル可能な包装が採用されることが多く、脱プラ&ごみ削減アイテムとして注目されています。
メリット
・プラスチックボトル不要:年間数本分のボトルごみをカット。
・コンパクトで軽量:旅行やジムに持参しやすく、液体制限のある機内持込にも◎。
・高濃度美容成分:水で薄めないため有効成分をダイレクトに補給。
・長期的な節約:1回当たりのコストが液体より安くなるケースが多い。
デメリット
・置き場所が濡れると溶けやすい:ソープディッシュや吊り下げネットで乾燥管理が必要。
・成分選びが難しい:石けん系は軋みやすい、アミノ酸系は泡が少なめなど処方の特徴を理解する必要あり。
・好みの香りが限られる:精油のみ使用などで香調バリエーションは液体より少なめ。
使い方のコツ
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シャンプーバーやコンディショナーバーの使い方には少しコツがありますが、慣れると液体シャンプーと同じようにスムーズに使えるようになります。ポイントを押さえると快適に使用できるので、ぜひ覚えておきましょう。
まず、髪とバーをしっかり濡らします。特にシャンプーバーは泡立ちが大切なので、髪を十分に濡らしてからバーを直接髪の根元から毛先に向かって優しく滑らせるか、手のひらで泡立ててから髪になじませます。最初は泡立ちにくく感じることもありますが、少量のぬるま湯を加えながら髪全体を丁寧にマッサージするように洗うと、徐々に豊かな泡が立ち、髪や頭皮の汚れを効果的に落とせます。
次に、コンディショナーバーの使い方ですが、シャンプー後の髪にそのままバーを滑らせて使用します。コンディショナーバーはあまり泡立ちませんが、髪の表面をコーティングするようにバーを滑らせると、天然成分が髪にしっとりと浸透していきます。毛先を中心に十分になじませ、少し時間をおいてからぬるま湯でしっかりとすすぐと、なめらかな仕上がりになります。
また、シャンプーバーやコンディショナーバーは水分を含んだまま放置すると溶けやすくなるため、使用後は風通しの良い場所で十分に乾かすことが大切です。水切れのよいソープディッシュや、吊るして保管できるメッシュバッグなどを使うと、バーの形状を長期間保つことができ、最後まで無駄なく使用できます。
さらに、シャンプーバーを使い始めたばかりの頃は、髪が慣れるまで数週間ほど時間がかかることもあります。一時的に髪がきしんだり、べたつきを感じたりすることがありますが、これは合成成分から天然成分への切り替えによる一時的な現象です。使い続けることで頭皮の環境が整い、健康的な髪質に変わっていきます。気になる場合はリンゴ酢やクエン酸の希釈液を使ったリンスを併用すると、髪がよりサラサラになり、快適に使えるようになるでしょう。
ちょっとしたポイントを押さえて使うことで、シャンプーバーやコンディショナーバーの魅力を最大限に引き出せます。ぜひ日々のヘアケアに取り入れて、環境にも髪にもやさしいライフスタイルを楽しんでくださいね。
プラごみゼロへ!シャンプーバー&コンディショナーバー9選
ここからはEthique, Esca, 4seconds, LALA HONEY, MILESSE, Vita Green by Miabelle, LOGONA, SUO Rinse, The BARの9ブランドを詳しくご紹介します。
エシカル度・髪質との相性・香りの好みなどをチェックしながら、自分にぴったりのシャンプーバー・コンディショナーバーを見つけてくださいね。
1. Ethique(エティーク)
・商品名:Ethique シャンプーバー & コンディショナーバー
・設立された場所:ニュージーランド(クライストチャーチ)
・エシカル/ナチュラルなポイント:100%天然由来・ヴィーガン・プラスチックフリー・生分解性パッケージ
2012年に誕生したEthiqueは、「ボトルを捨てないビューティー」を掲げる固形コスメの先駆者です。水を一滴も含まない処方により、1個で液体シャンプーボトル3本分を置き換えられる高濃縮設計を実現。
主成分はフェアトレード調達のココナッツオイル・カカオバター・ライムバターなどで、パラベン/硫酸系界面活性剤/シリコン/人工香料を一切不使用。ニュージーランドの気候・水質で実証試験を行い、泡立ちと洗浄力を両立しています。紙箱はFSC認証取得の生分解性で、使用後は家庭用コンポストで約6週間で土に還る設計。売上の2%を海洋保護団体へ寄付し、2023年末までにプラスチックボトル2,500万本分の削減を達成しています。
日本ではピンクグレープフルーツ香る「ピンカリシャス」や、ダメージヘア向け「ワンダーバー」など10種類以上を展開し、髪質別に選べる点も魅力。Amazon・楽天に公式ストアが開設されており、気軽に購入できます。
2. Esca(エスカ)
・商品名:Esca Organic Shampoo & Conditioner Bar
・設立された場所:ニュージーランド(オークランド)
・エシカル/ナチュラルなポイント:COSMOSオーガニック認証・ヴィーガン・水不使用・脱プラ包装
Escaはニュージーランドのナチュラルコスメメーカー〈Un Calliner Zeep Ltd.〉が手掛ける固形ヘアケアブランド。世界統一基準COSMOSのオーガニック認証を取得し、ココナッツオイル・シアバター・小麦胚芽油など食用グレードの植物原料のみを使用します。
「STUNNING(保湿)」「ENERGY(ボリューム)」など目的別に6シリーズを展開し、香りはエッセンシャルオイルブレンド(ローズ&ゼラニウム/スイートオレンジ&マンダリン等)で合成香料ゼロ。水と熱を加えずコールドプロセスで硬化させるため、有効成分が壊れにくく泡立ちがきめ細かいのが特長です。
紙パッケージは大豆インク印刷でコンポスト可能。売上の1%をニュージーランド沿岸の清掃活動へ寄付し、製造工場は再生可能エネルギー比率80%を達成しています。日本へは2024年に本格上陸し、楽天とYahoo!で正規輸入品が流通。1個で約70回分使用できるため、コストと環境負荷の両面でメリットが大きいエシカルプロダクトです。
3. 4seconds(フォーセカンズ)
・商品名:4seconds シャンプーバー & コンディショナーバー
・設立された場所:日本(東京)
・エシカル/ナチュラルなポイント:国産ゆず精油使用・90%以上天然由来・プラフリー・国内一貫製造
4secondsは「髪を洗う4秒間を地球のために」というメッセージから誕生した日本ブランド。主成分はサトウキビ由来洗浄成分と国産ゆず精油で、シリコン・パラベン・鉱物油不使用のクリーン処方です。
柑橘の生産量が多い徳島県で、果皮蒸留後の残渣を肥料に還元する循環プログラムを構築。香りはゆず&ヒノキが基調でリラックス効果が高いと好評です。バーフォルムは持ちやすい波形デザインで、濡れた手でも滑りにくい仕様。1個で約約2ヵ月使用でき、液体製品比でプラスチックを約92%削減します。
製造は東京・葛飾区のGMP認定工場で行い、売上の一部は高知県ゆず農家の有機転換支援に充当されています。楽天公式ショップでは、シャンプー/コンディショナー2種セットや、旅行用ミニバーもラインアップ。香りと国産原料にこだわりつつ、環境負荷を最小限に抑えたい方に適した選択肢です。
4. LALA HONEY(ララハニー)
・商品名:LALA HONEY シャンプーバー
・設立された場所:日本(富山市)
・エシカル/ナチュラルなポイント:国産はちみつ配合・石油系界面活性剤不使用・ゼロウェイスト包装
富山の養蜂家が手がけるLALA HONEYは、地元産アカシア蜂蜜を主成分にしたナチュラルコスメブランド。シャンプーバーはコールドプロセス製法で40日以上熟成し、蜂蜜・オリーブ果実油・ホホバ油が持つ天然保湿力を損なわずに閉じ込めています。
洗浄剤には石けん素地を使用し、石油系界面活性剤・合成香料・着色料・シリコンを排除。はちみつ由来のアミノ酸が髪のキューティクルを保護し、しっとりした仕上がりが特徴です。ラベンダー&ゼラニウム精油のやさしい香りで、リンスなしでもきしまないと口コミ評価も高い製品。包装は再生紙と植物由来インクで印刷し、ごみが出にくいゼロウェイスト設計。
工場は自社併設で、製造副産物の廃油をボイラー燃料に再利用しています。楽天市場と公式オンラインで取り扱い、1個110g(約80回分)2,200円。地産地消と丁寧な手仕事を重視する方、はちみつの保湿力を活かしたヘアケアを探している方におすすめです。
5. MILESSE(ミレッセ)
・商品名:MILESSE オーガニックシャンプーバー & トリートメントバー
・設立された場所:日本(兵庫県)
・エシカル/ナチュラルなポイント:ヴィーガン・6種のオーガニックオイル配合・森林認証紙パッケージ
MILESSEは“Minimal × Essence”をコンセプトに2021年始動した日本ブランド。製品はヴィーガン認証取得済みで動物由来成分・動物実験ゼロを徹底しています。
洗浄基剤には植物由来アミノ酸系と石けん素地を組み合わせ、泡立ちと指通りを両立。アルガン・ホホバ・バオバブなど6種の有機植物オイルが髪内部に浸透し、パサつきや広がりを抑えます。トリートメントバーはカカオバター主体で体温付近でとろけ、キューティクルをコーティング。無添加なのにサロン級の仕上がりがSNSで話題となり、発売半年で累計4万個を突破しています。FSC認証紙と植物性インクを使ったパッケージは、組み立て式で糊を使わずリサイクルしやすい仕様。
売上の0.5%を兵庫県植樹プロジェクトに寄付し、CO₂吸収源の拡大に貢献。楽天公式ショップでは2個セット3,960円、持ち運び用缶ケース付限定キットも展開しており、エコと美髪を両立したいユーザーに人気です。
6. Vita Green by Miabelle(ヴィタグリーン バイ ミアベル)
・商品名:Vita Green シャンプーバー & コンディショナーバー
・設立された場所:日本(東京都)
・エシカル/ナチュラルなポイント:低刺激・無香料ラインあり・グルテン/ナッツアレルゲンフリー
Vita Greenはアレルギー対応コスメを展開するMiabelle社のヘアケアライン。小麦・ナッツ由来アレルゲンを全排除し、香料が苦手な方のために無香料タイプを用意する希少なブランドです。洗浄成分はココイルグルタミン酸Naを主軸に、イヌリン(チコリ由来プレバイオティクス)が地肌のバリア機能をサポート。
固形化により防腐剤を最小限に抑え、ISO21702抗ウイルス試験もクリアしています。泡立ちはきめ細かく、敏感肌向けながら適度な洗浄力を確保。弱酸性設計で石鹸カス残りがなく、リンス不要でも指通りなめらかです。パッケージは再生紙とバイオマスフィルムのハイブリッドでプラ使用量を約95%削減。
東京都内の障がい者就労支援施設と連携し、包装・検品工程を委託するインクルーシブな生産体制を構築しています。楽天の公式ショップではスターターセット(アルミ缶付き)が2,640円と手頃で、“低刺激×サステナブル”を探すユーザーから高評価を得ています。
7. LOGONA(ロゴナ)
・商品名:LOGONA ソリッドシャンプー & コンディショナー
・設立された場所:ドイツ(ニーダーザクセン州)
・エシカル/ナチュラルなポイント:NATRUE認証・BDIH基準・パーム油持続可能調達・紙包装
1975年創業のLOGONAは、欧州ナチュラルコスメ規格の草分け的存在。固形シリーズは2020年に発売され、ヘンプ&ネトル(ノーマル)とヘンプ&エルダーフラワー(ダメージ)の2種がラインアップ。
洗浄基剤はココイルイセチオン酸Naなど植物由来で、pHを弱酸性に調整し色落ちしにくい処方です。オーガニックヘンプオイルがCMC層に浸透して保湿、ネトル葉エキスが皮脂バランスを整え、欧州で人気のハーブケアを家庭で再現できます。バイオプラスチック未使用の紙箱はFSC認証、インクは鉱物油ゼロ。
原料パーム油はRSPO「Segregated」グレードで森林破壊への配慮も徹底しています。ドイツ本社は100%再生電力を使用し、生産時のCO₂排出は植林プロジェクトでオフセット。日本ではビオセボン・楽天などで流通し、バー1個(60g)で液体約2本分。欧州伝統ハーブの力を実感したい方や、厳格なオーガニック基準を重視するユーザーに適しています。
8. SUO Rinse(スオ リンス)
・商品名:SUO Rinse 固形コンディショナー
・設立された場所:日本(京都府京丹後市)
・エシカル/ナチュラルなポイント:ヴィーガン・合成香料/着色料フリー・地元間伐材紙包装
SUOは丹後ちりめん産地の水資源を生かしたコスメ工房から生まれたヘアケアブランド。シャンプーバーに続き発売されたリンスバーは、米ぬか油・シアバター・京都産宇治茶エキスを主成分に、毛髪保護のベタイン誘導体で滑らかさを付与。無香料タイプでも茶葉由来のほのかなグリーンノートが感じられます。
敏感肌モニター試験で皮膚刺激指数0.0を取得。地元林業と連携し、間伐材パルプを用いた包材を実装、1ロットにつき植栽費を拠出する林地保全モデルが評価され2024年京都環境賞を受賞しています。アルミ缶ケース付スターター(45g)は約80回使用可で2,420円。シリコーンに頼らず艶を出したい、髪と同時に地元環境も守りたいというユーザーにマッチします。
9. The BAR(ザ・バー)
・商品名:The BAR 固形シャンプー
・設立された場所:日本(長野県松本市)
・エシカル/ナチュラルなポイント:ゼロウェイスト工房・精油100%調香・売上1%森林保全寄付
北アルプスの伏流水で仕込むThe BARは「バー1本でバスルームをシンプルに」をテーマに2020年創業。ベースはココイルイセチオン酸Naとスイートアーモンド油で豊かな泡を実現し、α‐トコフェロールが酸化ダメージを抑制。
香りは“Forest Walk(ヒノキ&シダーウッド)”“Citrus Field(ベルガモット&ライム)”など全5種類で、すべてIFRA適合精油のみをブレンド。工房はゼロウェイスト宣言を掲げ、製造副産物の石けん端材をクリーニングパウダーに再商品化。紙箱は長野県産カラマツ再生紙を用い、外装フィルムはトウモロコシ由来PLA。売上の1%を「信州安曇野水源の森」基金へ寄付し、源流域の保全に充てています。楽天公式ショップで60g 1,980円。山の恵みとサステナブル精神を感じながらシンプルケアを楽しみたい方にうってつけです。
まとめ
固形シャンプー/コンディショナーは、プラスチックボトル削減・成分の濃縮化・持ち運びやすさという利点を兼ね備え、持続可能なライフスタイルを後押しする注目アイテムです。
今回ご紹介したEthique・Esca・4seconds・LALA HONEY・MILESSE・Vita Green by Miabelle・LOGONA・SUO Rinse・The BARは、いずれも環境配慮と髪への優しさを両立し、原料調達からパッケージまでエシカルに設計されています。
まずは気になる香りや髪質別のシリーズから試して、“ボトルフリー”ヘアケアを始めてみませんか?日々のバスタイムが地球にも自分にもやさしい時間へと変わるはずです。
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